「ロンドンのことをもっと知りたい…」という気持ちで、ロンドンシステムについてのトラップ集を記事にします。
ロンドンシステムをよく指す人だけではなく、ロンドンシステムに苦しめられている黒番の人にもオススメの記事です。
目次
ロンドンシステム【白番がトラップを仕掛ける側】
ロンドンシステムのトラップ集を早速見ていきましょう。
まずは、ロンドンシステムを指している側、つまり白番がトラップを仕掛ける側です。
*黒番によるトラップを見たい人は「ロンドンシステム【黒番がトラップを仕掛ける側】」の見出しに移動してください。
意外と見落とす!ナイトとビショップによるトラップ
この局面において、黒番のe6という手はロンドンシステムのトラップにかかります。
問題の局面
白番は次に、Nb5という手を指すことで有利な局面になります。
典型的なナイトとビショップによる攻撃ですが、意外と見落としてしまう可能性があります。
この局面では、「白のf1のビショップによってNb5という手が支えられていること」が最も重要です。
もし、f1のビショップでNb5という手をサポートできない場合は…。
黒番のQa5という手によって、ナイトをc3に戻す手を強制させられます。
自然に指しているだけで、相手のプレイヤーをトラップにハメることができるかも!
参考:実際に使用された試合
美しいが難易度の高いトラップ
このトラップの凄いポイントは、白の15手「Ne4」という手が実に巧妙である点です。
問題の局面
この局面において、e4のナイトをポーンで取ると…。
黒はクイーンをタダ取りされることになるので、ポーンでe4のナイトを取ることは不可能です。
しかし、黒はe4のナイトが非常に脅威に感じるはずです。
なぜなら、h5のクイーンと組み合わせて、黒のキングに猛攻される可能性が見えているからです。
黒がQc4と動かした場合…。
黒は選択を間違えるとチェックメイト。
黒が正しく駒を動かしても…。
黒はキングの守りが崩壊する。
このトラップは非常に美しいですが、手数が多く難易度が高いかもしれません。
参考:実際に使用された試合
(ちなみにこの試合、白のプレイヤーの正確度は99%、平均センチポーン差は5という驚異の数値です。)
安易なQxb2を許さないトラップ
このトラップは黒の安易なQxb2を許さないトラップです。
黒がQxb2を早々に指す。
黒のプレイヤーは次に、c3にいるナイトに狙いを定めています。
ここで白は動揺せずに「Nc5」と指してください。
Nc5を白が指す
これによって、黒のクイーンは簡単には自陣に戻れなくなりました。
また、白番は次の狙いとして、Nc7からのフォークも狙っています。
フォークされるわけにはいかないので、黒のプレイヤーはNa6と指す1手です。
このトラップの面白いところは、次の1手が「a3」という点です。
a3と指す狙いは、a6にいる黒のナイトの逃げ先を無くすことにあります。
ここから黒のプレイヤーはいくつかの選択肢がありますが、最もオーソドックスな手は「Bf5」でしょうか。
その場合は本筋どおり、dxc5と指してa6にいるナイトにプレッシャーを与えていくことで有利になります。
また、本筋から外れますが、黒のプレイヤーが7手目に「e6」と指すことも自然に感じます。
これはあまり悪くない手に見えますが、黒のクイーンが逃げられなくなってしまいます。
黒のクイーンは逃げ場を失う。
持ち時間の短いルールだと、このトラップに引っ掛かる人が多くなる印象です。
一瞬の隙を見逃さないトラップ
この局面において、黒番のc5という手はロンドンシステムのトラップにかかります。
黒のプレイヤーがc5を指したことによって、d6のビショップが孤立した状態になります。
白のプレイヤーはこの局面で、「Nbd7」という手を指すことでポーンアップします。
ポーンを取り、クイーンを攻撃!
黒はルークでナイトを取ったが…。
孤立している敵のビショップを取れる。
このトラップは大きく駒得できるわけではありませんが、確実にポーンアップできます。
相手のミスを見逃さないためにも、このトラップを覚えておきましょう!
ロンドンシステム【黒番がトラップを仕掛ける側】
黒番のときにロンドンシステムに苦しめられている人は参考にしてみてください。
ちょっと怪しい?ビショップ確殺トラップ
この局面において、白番のe3という手はトラップにかかります。
問題の局面
黒番は次に、e5という手を指すことでビショップを取れます。
白はどうやってもビショップを救えない。
このトラップはh5という結構怪しい手を指す必要があるので、持ち時間の少ないルールで遊ぶのがオススメです!
参考:実際に使用された試合
白番のうっかりミスを誘え!シンプルなトラップ
この局面において、白番のBxg5という手はトラップにかかります。
問題の局面
この局面になったら、黒のプレイヤーはシンプルに「Qa5+」を指しましょう。
白はチェックを防いでいる間に、g5のビショップをタダ取りできます。
白のプレイヤーがBxg5と指した時点で、駒得を狙えるので序盤から有利に戦える可能性があります。
なお、白のプレイヤーがNf3と指している場合には成立しないトラップなので注意してください。
Qa5+と指しても…。
Nbd2でチェックを防がれ、g3のビショップも取れない。
このトラップはトラップであることが感づかれやすいので、相手がトラップにかかることを期待して指すべきではないかもしれません。
白番のキャスリングを妨害するトラップ
このトラップは白番のキャスリングを妨害するトラップです。
ただ、このトラップが成功しても、評価値の視点ではあまり優勢にはなりません。
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