ルークの動き方と効果的な手筋【チェスの駒を解説】

ルークは、中盤戦以降で活躍することの多い駒です。
クイーンの次に価値の高い駒なので、ルークを有効的に使用できるかどうかで試合の勝敗に大きく影響します。
概要
駒の名称 | ルーク(Rook) |
駒の価値 | 5点 |
長所 | 終盤戦の駒が少なくなってきた盤面で支配できるマスが多い。 |
短所 | 初期位置が盤面の端のため、活躍できるマスに移動するまでに時間がかかる。 |
将棋で例えると | 「飛車」。 |
PGN表記 | 「R」で表記される。 |
ルークの動き方・動ける範囲
ルークは、前後左右のマスにどこまでも進むことができます。
ルークの動ける範囲
このように、ルークは前後と左右の「最大4方向」に動ける駒です。
白マスと黒マスの両方を移動できるため、ビショップよりも扱いやすい駒といえるでしょう。
ただし、ルークは初期位置が盤上の四隅です。
ルークの初期位置
そのため、序盤戦では動かしづらく、
に動かすケースがほとんどです。
クイーンの次に価値の高い駒であり、非常に強力な駒である一方で、中盤戦・終盤戦で活躍するようになる駒です。
ルークの強い使い方
ルークの強い使い方として、以下の2点を解説します。
- ルークリフトで有効的なマスに移動させる。
- オープンファイルやセミオープンファイルに置く。
ルークリフトとは
ルークリフトは、端にいるルークを有効的なマスに移動させるテクニックです。
具体的には、ルークの前にいるポーンを2マス前進させて、ルークを盤面の中央や逆側に移動させます。
1:端のポーンを2マス前進させる。
2:ルークを盤面の中央や逆側に移動させる。
このように、ルークの前にいるポーンを前進させて、ルークの通り道を作ります。
ルークリフトすると、ルークを高い位置で使用できるので、別の駒と連携を取って攻撃に参加しやすくなるでしょう。
実践では、ルークリフトは序盤戦ではなく、主に中盤戦以降に使用されるテクニックです。

自分のキングが安全になるキャスリング後に使用されることが多い印象ですね。
ルークリフトが使用された試合を以下でご紹介します。
白番は、George Henry Mackenzie氏。スコットランド生まれでアメリカに移住したチェスの名手です。軍人として活躍する一方で、アメリカのチェス大会で頻繁に上位入賞しています。
黒番は、Henry Edward Bird氏。1800年代にイギリスで活躍したチェスの名手です。会計士として働きながらも、さまざまな大会で優勝した実績があります。
ルークリフトは、黒番のBird氏が9手目に指した「ポーンa5」から始まります。
11手目では「ルークg6」と指して、ビショップやルークとともに白番のキングに積極的に攻撃していることが分かるでしょう。
このルークリフトでルークを攻撃的なマスに移動させたことで白番の守りを見事に崩し、黒番のBird氏が有利な展開になります。
最終的には、チェックメイトの前に白番のMackenzie氏が投了しました。
投了した盤面を見ると、このまま指してもディスカバードアタックでルークやビショップがタダ取りされてしまう状況でした。
ルークg2によるディスカバードアタックが強力。
中盤戦以降で攻め手に欠けることが多い人は、ルークリフトを使用してみてはいかがでしょうか。
ルークは「オープンファイル」や「セミオープンファイル」に置く
ルークは、オープンファイルやセミオープンファイルに置くことが強いといわれています。
例:e8のルークがオープンファイルにいる。
ルークをオープンファイルに置くと、そのファイルを完全に支配することができます。
常に相手陣地への侵入を狙うことができ、もう一つのルークと連携して、ルークを攻撃に使用することも可能です。
ポーン交換が進んで、オープンファイルやセミオープンファイルができたときには、ルークを置くことを検討してみてはいかがでしょうか。
なお、オープンファイルにルークを置くと、駒交換が進みやすくなります。
自分が既に不利な状況で駒交換をしてしまうと、逆転がより難しくなる可能性があります。
「オープンファイルにルークを必ず置かないといけない」というわけではないので注意してください。
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