ビショップの動き方と効果的な手筋【チェスの駒を解説】

ビショップの動き方を知り、ビショップの効果的な手筋を知れば、あなたは攻撃が上手なチェスプレイヤーになれるかもしれません。
本記事では、ビショップの動き方と効果的な手筋について解説しています。
実践問題もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
概要
駒の名称 | ビショップ(Bishop) |
駒の価値 | 3点* |
長所 | 対角線の移動を得意とし、序盤戦・中盤戦のさまざまな攻め・守りに活かすことができる。 |
短所 | 同じ色のマスにしか移動できず、終盤戦で活かしづらいことがある。(主に片色ビショップのみの状況) |
将棋で例えると | 「角行」。 |
PGN表記 | 「B」で表記される。 |
*白ビショップと黒ビショップの2つが残っているとき(ダブルビショップ)は、3+3=6よりも駒の価値は高いとされています。
ビショップの動き方・動ける範囲
ビショップは、斜めのマスにどこまでも進むことができます。
ビショップの動ける範囲
このように、ビショップは斜め前方・斜め後方の「最大4方向」に動ける駒です。
そして、どのように動かしても、
- 初期位置が白マスのビショップは、最後まで白マスしか動けない。
- 初期位置が黒マスのビショップは、最後まで黒マスしか動けない。
といった特徴があります。
そのため、ビショップが2個残っているときは、お互いの弱点を補完し合うことができます。
このビショップが2個残っていることを「ダブルビショップ」と呼び、ナイトが2個残っているときよりも強いです。
一方で、ビショップが1個しか残っていないときは、片色マスしか支配できず、相手に弱点を突かれる可能性があります。
たとえば、こちらに白ビショップしか残っていない場合、黒マスにポーンや重要な駒が集中されてしまい、白ビショップを活かせないことがあります。
なお、初期位置にいるビショップは、ポーンを展開しないことには動くことができません。
初期位置にいるビショップはポーンを展開しないと動けない。
dポーンやeポーンを展開すれば動ける。
ビショップの強い使い方
ビショップの強い使い方といえば、「ピン」と呼ばれるテクニックです。
ピンとは、「相手の駒を動けないように釘付け状態にすること」です。
以下の盤面を見てください。
この盤面では、f6のナイトがg5のビショップによって「ピン」されています。
なぜなら、もしf6のナイトが動いてしまうと、その先のクイーンを失うことになるからです。
このように、「駒を動かしたら価値の高い駒を取られて駒損してしまう状態」を相対ピンといいます。
また、「キングが取られてしまうため駒を動かせない状態」を絶対ピンといいます。
絶対ピンの例:c6のナイトを動かすと…
キングを取られてしまう。
(=だからc6のナイトは動かせない)

ビショップは、ピンによって敵の駒の動きを制限できる非常に強力な駒です。
ビショップを動かすときは、積極的にピンできる敵の駒を探してみると面白い試合ができるかもしれません。
【実践編】ビショップを使いこなそう
それでは、これから実践編に移ります。
指定された盤面の状況で、最善手を考えてみてください!
実践問題
まずは上記の盤面で、最善手を考えてみましょう。



白番のあなたはどんな指し手を選択しますか?
クリックorタップすると開きます。
実践問題のヒント①:小ヒント
この盤面の最善手は「駒得に繋がる1手」です。
この盤面は白番がすでに有利ですが、チェックメイトまでは遠いです。
パッと見だと、g3のクイーンでg7のポーンを取ればチェックメイトにも見えますが、h5のナイトによって守られています。
実践問題のヒント②:中ヒント
このまま適当な1手を指すと、g3のクイーンがh5のナイトから取られてしまいますね。
3点のナイトに9点のクイーンが取られることは避けるべきです。
さて、どんな1手をあなたは指しますか?
実践問題のヒント③:大ヒント
この実践問題では、「ピン」を使うことで駒得を狙うことができます。
そして、この盤面ではピンが2つありますね。
①:「g3のクイーン」が「g7のポーン」をピン
②:「c4のビショップ」が「f7のポーン」をピン
補足:緑色マスの駒が「ピンされている駒」を表しています。
あなたはどちらのピンを活かして最善手を指しますか?
実践問題の答え
この盤面の最善手は、「g3のクイーンをg6に動かす」です。
まず、f7のポーンは、c4のビショップによって「ピン」されているので、クイーンを取ることができません。
この「クイーンg6」を白番が指すメリットは以下のとおりです。
- h5のナイトから攻撃されていたクイーンを逃がす。
- 次の手で駒得を狙える。
まず、h5のナイトから攻撃されていたクイーンを逃がす必要があります。
3点のナイトに9点のクイーンが取られることは避けなければいけません。



重要なのは「クイーンをどこに逃がすのか」です。
クイーンにとって安全なマスはいくらでもありますが、「安全かつ攻撃的なマス」はg6しかありません。
以下のようにクイーンをg6に置くと、h5のナイトを攻撃できていますね。
そして、黒番視点だと、h5のナイトは「チェックメイトを防ぐための重要な駒」です。
黒番視点だとh5のナイトは重要な守りの駒!
そのため、h5のナイトを他の安全なマスへ逃がすことはできません。
クイーンg6を指されたとき、黒番に残された手筋は以下の2通りです。
- キングh8でビショップの「ピン」を避ける1手。
- クイーンf6で「g7」のマスを守りにいく。
しかし、これら2手を指しても、黒番は駒損を避けることはできません。
キングh8で「ピン」を避けた場合
上記のように、h5のナイトをタダ取りされてしまいますね。
クイーンf6で「g7」のマスを守りにいった場合
g7のポーンがピンで動けないことで、白番には「ナイトh6」という上手い1手がありますね。
結局のところ、h5のナイトを取られてしまい、駒損してしまう黒番でした。
このように、c4にいるビショップが敵ポーンをピンしていたことで、黒番の守りはあっさりと崩されてしまいましたね。
ヒントや答えを見て、実践問題の最善手を理解できたでしょうか。



初心者の人からすると、難しい盤面だったかもしれませんね。
実践問題などを参考に、ビショップを上手く活用していただければ幸いです。
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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