クイーンの動き方と効果的な手筋【チェスの駒を解説】

クイーンは、チェスにおいて最も価値の高い駒です。
動けるマスがとにかく多く、クイーンを上手く使えるか使えないかで大きな差が生まれる可能性さえあります。
本記事では、クイーンの動き方と効果的な手筋について解説しています。
概要
駒の名称 | クイーン(Queen) |
駒の価値 | 9点 |
長所 | 駒の中で動けるマスが最も多い。 |
短所 | 駒の価値が高すぎて集中砲火されやすい。 |
将棋で例えると | 飛車+角行。 |
PGN表記 | 「Q」で表記される。 |
クイーンの動き方・動ける範囲
クイーンは、「前後左右」と「ナナメ前方後方」の8方向にどこまでも進むことができます。
クイーンの動ける範囲
ビショップの動けるマスとルークの動けるマスを足したら、クイーンの動けるマスになりますね。
チェスの駒の中で動けるマスが最も多いので、攻守ともに活躍する非常に強力な駒といえるでしょう。
ただし、ナイト・ビショップ・ルークは駒が2個あるのに対して、クイーンは1個だけしかありません。
キングの次に取られてはいけない駒であることを常に意識する必要があります。
クイーンの初期位置
クイーンの初期位置は、盤面中央でキングの隣です。
クイーンは序盤戦から動かしやすい位置にいますが、序盤戦で何度も動かすことは推奨されていません。
クイーンを序盤戦で何度も動かすと、他の駒を有効なマスに展開できなくなります。序盤戦では、ナイトやビショップを動かし、キングの安全を確保するためのキャスリングを行いましょう。
【実践編】クイーンを使いこなそう
それでは、これから実践編に移ります。
実践編を通して、クイーンの効果的な手筋について学んでいきましょう。
指定された盤面の状況で、最善手を考えてみてください!
まずは上記の盤面で、最善手を考えてみましょう。

白番のあなたはどんな指し手を選択しますか?
実践問題1のヒント①:小ヒント
この盤面では、白にチェックメイトの手筋が存在しています。
駒得を狙うのではなく、チェックメイトについて考えてみましょう。
実践問題1のヒント②:中ヒント
どのような手を指せば、黒のキングにチェックできるかを考えてください。
そして、どのチェックであれば、チェックメイトに繋がるのかを考えてみましょう。
実践問題1のヒント③:大ヒント
この盤面では、黒のキングにチェックできる手は2通り存在します。
①:ビショップをf7に動かす。
②:クイーンをf7に動かす。
どちらの一手であれば、チェックメイトに繋がるでしょうか。
実践問題1の答え
実践問題1の答えは、「クイーンをf7に動かす」です。
チェス中級者であれば、すぐに答えが分かったのではないでしょうか。
さて、クイーンをf7に動かすと、以下のようにチェックメイトになります。
クイーン単体で攻撃を仕掛けても、基本的に敵から取られてしまい、不利な局面を迎えることになります。
しかし、クイーンに加えて、ビショップやルークを組み合わせて攻撃を仕掛けることで、有利な展開を目指すことができるでしょう。
ただ、この問題のように簡単に敵をチェックメイトできることは少ないでしょう。
あなたが敵のクイーンを警戒するのと同様に、相手もこちらのクイーンに対して常に警戒しています。
上記をクリックまたはタップすると、答えを確認できるので、ぜひ答え合わせしてみてください。



次の問題に移ります。
次の盤面において、あなたの最善手はなんでしょうか?
実践問題2
実践問題1と同様に、ヒントと答えは以下をクリックorタップしてご覧ください。
実践問題2のヒント①:小ヒント
黒のキングは、キャスリングをしなかったため、非常に危険な初期マスに居座っています。
オープニングでキングの安全を確保しなかったことを後悔させてやりましょう!
実践問題2のヒント②:中ヒント
実践問題1と同様に、チェックメイトを狙うことが最善手になります。
どんな手を指せば、チェックメイトになるのかをよく考えてみてください。
実践問題2のヒント③:大ヒント
時にはクイーンを犠牲にすることも必要になります。
クイーンの駒の価値は9点であり、基本的に敵の価値の低い駒から取られてはいけません。
しかし、特定の局面では、クイーンを犠牲にする選択が必要になるのです。
実践問題2の答え
実践問題2の答えは、「クイーンをb8に動かす」です。
クイーンをb8に動かすと…
クイーンをb8に動かすと、d7にいる敵のナイトに”タダ取り”されてしまいますね。



普通、クイーンをタダ取りされることは絶対に避けなければいけません。
しかし、この局面であれば、クイーンをタダ取りされることが最善手なのです。
b8のクイーンを取られた後の盤面を見てみましょう。
この盤面は、1手でチェックメイトになることが分かるでしょうか。
このように、d1のルークをd8に動かすことで、黒のキングはチェックメイトになります。
ちなみに、クイーンをタダ取りされる代わりにチェックメイトを狙うような手を「クイーンサクリファイス」と呼びます。
なお、ルークをd7に動かして、チェックメイトを狙うこともできます。
チェックメイトに必要な手数は多くなりますが、以下のような手筋も良い手といえるでしょう。
以下のようなチェックメイト筋もあります。
以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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