ヴァンゲートオープニングの概要|メリット・デメリット・バリエーション
ヴァンゲートオープニングは、ナイトc3から始まるチェスのオープニングです。

ヴァンゲートオープニングは、柔軟性の高いオープニングです。
- ポーン構造やセンターの形を自分の好きな形にしやすい。
- さまざまなオープニングに変化できるため、柔軟性が高い。
- センターの支配に影響する良いナイトを展開できる。
- 黒に対応されやすいオープニング。
- 白がセンターのポーンを突かないため、黒にセンターを支配されやすい。
備考:ヴァンゲートオープニングは複数の呼び方が存在します。
ヴァンゲートオープニングは、
- Dunst opening
- Heinrichsen opening
- Baltic Opening
- Sleipnir Opening
- Romanian Opening
などさまざまな呼び方があります。
chess.comやlichessでは、ヴァンゲートオープニング(Van Geet Opening)と呼ぶため、当サイトも合わせます。
ヴァンゲートオープニングが使用された試合
ヴァンゲートオープニングが使用された試合を見ていきましょう。
この試合のように、ナイトc3を指したら、d5にポーンを指されることが一般的です。
白番は、駒を展開してキングの安全をしっかりと確保しています。
オープニングはセオリー通りの手筋です。
それに対して、黒番は駒を展開していますが、キャスリングを行わず、クイーンサイドのポーンを突いています。
その結果、キングが危険なポジションに居続けてしまい、キングが安全であることを常に確認し続けることになっています。
自分のキングの安全性について思考を巡らせる必要があり、終盤戦では攻め手が少なく後手後手になっていますね。
ヴァンゲートオープニングのバリエーション
ヴァンゲートオープニングのバリエーションをいくつかご紹介します。
ヴァンゲートオープニング: Reversed Nimzowitsch
ナイトc3と指したときに、d5ではなくe5を指すのがこのオープニングです。
その後、「フォーナイツゲーム(Four Knights Game)」などに変化することもあります。
古典的なオープニング「フォーナイツゲーム」
このオープニングが使用された試合
この試合では、途中で「ヴィエナ・ギャンビット マックス・ランゲ・ディフェンス」というオープニングに変化しています。
これがヴィエナ・ギャンビット マックス・ランゲ・ディフェンス
キング側の守りが弱くなる反面、センターを支配しやすくなります。
最終的には、黒番がキャスリングの機会を失ったことで守りが崩壊し、白番の猛攻によって決着しました。
ヴァンゲートオープニング: Novosibirsk Variation
このオープニングを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。
白がクイーンを早くに展開し、黒のキングサイドにプレッシャーをかけるという独特の戦法です。
このオープニングが使用された試合
この試合では、h4のクイーンに対して、クイーン交換を持ち掛ける展開になりました。
序盤ではキャスリングの権利を失い、駒を展開しづらくなった黒番が少し劣勢です。
ただ、終盤戦ではピンを利用した駒得によって黒番も悪くない戦況にあります。
最終的には、白番が勝利しますが、これは黒番の43手目が良くない手だったからです。
黒番の43手目であるa4にポーンを突く手は、ポーンの進行を止めることができず、プロモーションを簡単に許しています。
43手目はc4にいる白ポーンをb5の黒ポーンで取り、プロモーションできるポーンを少しでも食い止める必要があったでしょう。
ヴァンゲートオープニング(Van Geet Opening)のECOコードは「A00」です。
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