スカンジナビアン・ディフェンスの概要|メリット・デメリット・バリエーション
スカンジナビアン・ディフェンスは、ポーンe4に対してポーンd5と指すチェスのオープニングです。
センター・カウンター・ディフェンスと呼ぶこともありますが、少し古い呼び方です。

スカンジナビアン・ディフェンスは、黒の攻撃的なオープニングです。
- 攻撃的なプレイスタイルのプレイヤーと相性のいいオープニング。
- 対策を知らない白に対して有利に攻めれる。
- 白に対策されていると脅威ではない。
- 白のほうがセンターの支配が強い傾向がある。
スカンジナビアン・ディフェンスが使用された試合
スカンジナビアン・ディフェンスが使用された試合を見ていきましょう。
このゲームは、2007年に世界チャンピオンになる「アナンド」とアメリカ強豪プレイヤー「カムスキー」との間で1994年に行われました。



で、でた!スカンジナビアン・ディフェンスだ!



どうしたの?何かあった?



僕はこのスカンジナビア・ディフェンスの対応が苦手なんだよね…。黒番のガンガン攻めてくる感じが…。



あー、それなら序盤戦は早めにキャスリングして、キングの安全を確保したほうがいいかもね。



他に何か対策はないの?



スカンジナビアン・ディフェンスを指されたら、2手目で「exd5」を指すことが重要だよ。2手目にNc3やe5を指すことはダメじゃないけど、最善手は「exd5」。Nc3やe5は先を見据えた対策を練っているときだけ使用するべきだね。



そうだったのか!今までeポーンを取られたくないから、e5にポーン突いてたよ。



スカンジナビアン・ディフェンスが苦手な人は、2手目は機械的に「exd5」を指して、3手目から柔軟にプレイしていこう!
スカンジナビアン・ディフェンスのバリエーション
スカンジナビアン・ディフェンスのバリエーションをいくつかご紹介します。
白が2手目に「exd5」を指してきたら、黒には2つの選択肢があります。
- Nf6:ポーンを取り返すためにナイトを展開する。
- Qxd5:クイーンで早急にポーンを取り返す。
スカンジナビアン・ディフェンス:モダンバリエーション
モダンバリエーションは、「exd5」に対してNf6と指して、ナイトでポーンを取り返す変化です。
これは、黒がクイーンを序盤に動かしたくないときに使用される変化です。
オープニングの原則として、「クイーンを展開しない」というルールがありますよね。
それに則るのであれば、Qxd5ではなくNf6と指してポーンを取り返すべきです。
ただし、Nf6と指してポーンを取り返す場合には、同じナイトを2回動かす必要があります。
そのため、Nf6はオープニングの原則通りの動きですが、ポーンを取り返すために同じ駒を2回動かすため、少し効率が悪い動きになっています。
このオープニングが使用された試合
スカンジナビアン・ディフェンス:ミーゼス・コトルク・バリエーション
ミーゼス・コトルク・バリエーションは、「exd5」に対してQxd5と指して、クイーンでポーンを取り返す変化です。
Qxd5は序盤からクイーンを動かすため、オープニングの原則を破る一手です。



クイーンを序盤に動かすと、「クイーンを攻撃しながら駒を展開する」という手を指されてしまうため、あまり好ましくありません。
多くの場合、黒がQxd5と指した後は、白がNc3と指してクイーンを攻撃しながら駒を展開する流れになります。
通常は、クイーンを序盤に動かす手は好ましくないのですが、ミーゼス・コトルク・バリエーションに限っては有効な手筋とされています。
このオープニングが使用された試合
スカンジナビアン・ディフェンス(Scandinavian Defense)のECOコードは「B01」です。
コメント