ラーセン・オープニングの概要|メリット・デメリット・バリエーション
ラーセンオープニングは、ポーンb3から始まるチェスのオープニングです。
ニムゾ・ラーセンアタックとしても知られ、デンマーク人の偉大なプレーヤーで理論家の「Aaron Nimzowitsch」とデンマークのグランドマスター「Bent Larsen」にちなんで名付けられました。

ラーセン・オープニングは、初心者にもおすすめのオープニングです。
- ビショップをb2に展開することで、長い対角線を有効に使える。
- センターにポーンを進めないため、序盤でポーン構造を崩さずに済む。
- センターの支配が弱くなりやすい。
- ビショップの展開以外のプランが少ないため、戦術が限定されることがある。
- 相手から駒の動きを予想されやすいオープニング。
ラーセン・オープニングが使用された試合
ラーセン・オープニングが使用された試合を見ていきましょう。



この試合の白番は初手b3なんだ、ちょっと珍しいね。白はどういう意図があるんだろう?



そうだね、このオープニングはe4やd4で始まるオープニングと比べると珍しいかもね。でも、初手b3はラーセン・オープニングって呼ばれていて結構人気があるんだ。白はb3にポーンを進め、ビショップをb2に展開して、長い対角線を利用する狙いがあるんだ。



なるほど。白番の狙いはフィアンケットなんだ。黒番もかなり自然な駒の展開をしているみたいだね。



そうだね。黒番は、1…e5 2…Nc6 3…Nf6で駒を展開し、4…e4でセンターの支配を強化しているね。5…Bc5でビショップも展開し、黒は結構バランスの良い陣形を作っているよ。



このオープニングは、普通のオープニングと何が違うんだろう?



このオープニングは、センターにポーンを進めずに駒を展開しているね。その分、e4やd4のオープニングよりもセンターの支配が弱くなりやすいね。



そうなんだ。じゃあ初心者には向いていないの?



そんなことはないよ。このオープニングはビショップをb2に展開するというシンプルなプランがあるから、初心者でも理解しやすく、実践しやすいと思うから初心者にもオススメだね。



そっか、じゃあ何戦か試してみようかな!



いいね!実際にこの初手b3というオープニングを使ってみると、「シンプルで使いやすいオープニング」だと感じるかもね。
ラーセン・オープニングのバリエーション
ラーセン・オープニングのバリエーションをいくつかご紹介します。
ラーセン・オープニング:モダン バリエーション
白番からb3と指されたときは、黒番がe5を指すのが最も一般的です。
この黒番がe5を指す展開は、ラーセン・オープニングのモダンバリエーションと呼ばれます。
黒番がe5にポーンを突く狙いは、b2に展開されるビショップの支配を弱めることです。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:クラシカル バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がd5と指すことも多くあります。
黒番の狙いは、白番がセンターポーンを突かなかったことを利用し、先にセンターの支配を強めることです。
また、c8のビショップが展開するための道を開くことができています。
序盤戦において黒番は、積極的にセンターを支配することを意識しましょう。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:インディアン バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がナイトf6と指すことが結構あります。
黒番はナイトを自然な位置に展開し、センターへの影響力を高めることを狙っています。
f6はナイトにとって理想的な位置で、センターの重要なマス(特にd5およびe4)をカバーしています。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:イングリッシュ バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がc5と指すパターンは少なくありません。
黒番はクイーンサイドのポーンを展開し、センターへの影響力を高めることを狙っています。
また、黒番はこの手によって、クイーンをいつでも展開することができます。
なお、このイングリッシュバリエーションは、黒番が攻撃的な手筋を好んでいる場合に指されることが多いです。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:シンメトリカル バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がb6と指すこともあります。
これは白番と同様に、黒番もフィアンケットすることを狙っていますね。
イングリッシュバリエーションとは反対に、シンメトリカル バリエーションは堅実なプレイが好きな人が使用する印象です。
ポーンをb6に置くことで、黒はクイーンサイドの駒の展開をゆっくりと進めることができます。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:ポリッシュ バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がb5と指すことは非常に珍しいです。
しかし、これはポリッシュ バリエーションという名前があるオープニングです。
黒はb5にポーンを進めることで、クイーンサイドにスペースを確保し、ビショップやナイトの展開を促進できます。
また、黒はこの手で将来的にクイーンサイドのポーンをさらに進めるか、センターにポーンを突いて攻撃的なゲームを展開することができます。
b5という手は一般的ではなく、定石から外れた手ですが、研究する価値は十分にある1手といえるでしょう。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング:ダッチ バリエーション
白番からb3と指されたとき、黒番がf5と指すことがあります。
この手はダッチ・ディフェンスと似たポーン構造を作り出し、アグレッシブなプレイを意図しています。
ただし、黒番のf5と指す手は、キングの安全性が若干低下するために注意が必要です。
しかし、1. b3で白がセンターを積極的にコントロールしないため、黒がf5にポーンを進めてもキングが一気に危険になることもありません。
このオープニングが使用された試合
ラーセン・オープニング(Larsen’s Opening)のECOコードは「A01」です。
コメント