キングス・フィアンケット・オープニングの概要|メリット・デメリット・バリエーション
キングス・フィアンケット・オープニングは、g3から始まるチェスのオープニングです。
ハンガリアンオープニング(Hungarian Opening)やベンコ・オープニング(Benko’s opening)と呼ばれることもあります。
初手がe4やd4ではない場合、このg3が指されることが多くあります。
人気が高いオープニングなので、知っていて損することはないでしょう。

キングス・フィアンケット・オープニングは、キングサイドのフィアンケットを狙うオープニングです。
- キングサイドのフィアンケットによって、センターと敵クイーンサイドを支配しやすい。
- さまざまなオープニングに変化でき、敵の手によって柔軟な対応ができる。
- フィアンケット後、ナイトを展開するだけでキングサイドキャスリングが可能。
- センターを支配する競争において、黒に有利を与えてしまう。
- 柔軟に対応できる一方で、さまざまな知識を必要とする。
- d5やc6という手によってビショップの活躍が制限される可能性がある。
キングス・フィアンケット・オープニングが使用された試合
キングス・フィアンケット・オープニングを見ていきましょう。
この試合では、白番がセンターの支配で大きく負けていません。
11手目で白番はf3のナイトを捨てますが、g2ビショップの道が開け、ポーンとともにセンターを巧みに支配しています。
きちんとキングの安全を確保しながらも、的確に攻めることができた白番が最終的に勝利した試合でした。
このオープニングを指された場合、黒番はg2のビショップの働きを悪くするような形を目指したいところです。
センターの支配やクイーンサイドへの攻撃を積極的に狙ってみるのがいいでしょう。
キングス・フィアンケット・オープニングのバリエーション
キングス・フィアンケット・オープニングのバリエーションをいくつかご紹介します。
キングス・フィアンケット・オープニング: Lasker Simul Special Variation
このオープニングは、ラスカーという当時の世界チャンピオンが使用したことから名付けられています。
g3という一手は「フィアンケットしますよ」と宣言するようなものです。
黒はフィアンケットを止めることはできませんが、キングサイドへのキャスリングに対してプレッシャーをかけることができます。
このオープニングが使用された試合
この試合では、白がフィアンケットをした後に、黒がh4にポーンをさらに進めます。
これはよくある手順です。
しかし、その後にg3のポーンでh4のポーンを取ります。
これはあまり主流ではない一手です。
白はフィアンケット後に、ポーンd4などと指してセンターの支配を進めることが多い印象です。
キングス・フィアンケット・オープニング: Reversed Alekhine
このオープニングでは、白番はポーンを突いてセンターを支配するのではなく、ナイトを使用してセンターの支配を狙います。
黒がアレヒン・ディフェンスの手順を逆にしたもので、「Reversed Alekhine」という名前が付いています。
このオープニングが使用された試合
この試合では、展開したナイトをg1に戻し、フィアンケットでe4ポーンに圧力をかけています。
センターの支配は黒番が優勢になりますが、白番の形も悪くありません。
ただ、e4と指された場合には、Nd4と指すことも多いです。
Nd4はナイトを中央へ配置でき、敵ポーンの前進を阻止することもできます。
キングス・フィアンケット・オープニング(Kings Fianchetto Opening)のECOコードは「A00」です。
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