イタリアンゲームの概要|メリット・デメリット・バリエーション
イタリアンゲームは、「初手:e4 e5」「2手目:Nf3 Nc6」、そして3手目にビショップc4で始まるチェスのオープニングです。

ルイロペスは、チェスで最も古いオープニングの1つです。
- c4のビショップが中央を支配に貢献し、f7のマスにプレッシャーをかけることができる。
- オープニングの原則に従って序盤戦を進めることができる。
- 変化がそこまで多くなく、初心者でも学習しやすい。
- 人気が高くよく指されるオープニングのため、相手が対応に慣れている可能性が高い。
- c4のビショップは黒から攻撃の対象になりやすく、ビショップの位置を再配置しなければいけない可能性がある。
イタリアンゲームが使用された試合
イタリアンゲームが使用された試合を見ていきましょう。
以下の試合は、2014年に行われた対戦です。
白は歴代最強の世界チャンピオンであるマグヌスカールセン。
黒はブラジルや南米のチェスのシーンで活躍しているクリコール・セヴァグ・メキタリアンです。



イタリアンゲームはシンプルで分かりやすいから見てて面白い!



イタリアンゲームは「中央を支配」「キングの安全を確保」とかオープニングの原則に従うからね。序盤戦で重要な駆け引きはあまりなくて、中盤戦や終盤戦の力量で勝敗が決まるよね。



僕が最初に勉強したオープニングもイタリアンゲームだったよ。この試合でカールセンが勝った理由はなにかな?



この試合は、序盤と中盤で大きな差は開いていないね。ただ、終盤戦ではカールセンがポーンを取れているから、終盤戦の差で勝っているといっても過言じゃないよ。



序盤で面白いところってない?



そうだなぁ…。カールセンのナイトの使い方が面白いかもしれないね。クイーンサイドのナイトを3回動かして、キングサイドに動かしているね。これは、ナイト2つを並べて動かすことで、エリアを広く支配しようとしているんだろうね。



なるほど…。ナイトを並べて協力させ合うのってのは確かに強そう!
イタリアンゲームのバリエーション
イタリアンゲームのバリエーションをいくつかご紹介します。
イタリアンゲーム:クラシカル バリエーション
この変化はイタリアンゲームが始まったら、まず黒がBc5と指して中央の支配やf2のマスにプレッシャーをかけます。
それに対して、白はc3と指して、d4と指す手を用意します。
また、c3と指す理由として、c4のビショップが逃げるマスとして、c2のマスを開ける意味合いもあるでしょう。
この変化は、「クラシカル バリエーション」や「ジオッコ ピアノ(Giuoco Piano)」と呼ばれます。
そして、この形になると白には3つの選択肢があるでしょう。
- d3:e4を守り、手堅い序盤戦を進める一手。
- d4:中央の支配を強め、相手にプレッシャーをかける一手。
- b4:c5の敵ビショップに対して、攻撃をしかける一手。
最も人気があるのは「d3」と指す一手ですが、研究次第では他2つの選択肢も十分に良い手だといえます。
このオープニングが使用された試合
イタリアンゲーム:ツー・ナイツ・ディフェンス
イタリアンゲームのよくある変化として、「ツーナイツディフェンス」が挙げられます。
このNf6という手は、f7のポーンを守れることを知っている人が指すべきです。
まず、以下の盤面を見てください。
f3のナイトがg5に移動すると、「ビショップ+ナイト」で黒のf7のマスに強くプレッシャーをかけることができます。
それに対して、誤った手を指すと、黒番は一気に不利になります。
例えば、Bc5と駒を展開すると、どうなるでしょうか。
黒がBc5と指すと、恐らく白はBf7と指し、キングのキャスリングの権利を奪う手を指します。
これによって、黒のキングの安全を確保するのが難しくなり、黒にとって難しい局面になります。
そのため、f3のナイトがg5に移動してきた場合、必ずd5と指すようにしましょう。
この手によって、f7のマスをきちんと守ることができ、黒が序盤から大きく不利になることはないでしょう。
このオープニングが使用された試合
イタリアンゲーム:ハンガリアン ディフェンス
黒が堅実的なプレイヤーだと、このハンガリアン ディフェンスを選択することがあります。
Be7は、白のNg5という手を事前に対策しています。
これによって、ビショップとナイトによるf7のマスを手堅く守ることができるでしょう。
ただ、このBe7という手は、中央の支配に貢献しないため、少し消極的だと考えられています。
このオープニングが使用された試合
イタリアンゲーム(Italian Game)のECOコードは「C50」です。
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