グロブズアタックの概要|メリット・デメリット・バリエーション
グロブズアタックは、g4から始まるチェスのオープニングです。
正直な話、初手g4と指すこのオープニングは、あまり強くないといわれています。

グロブズアタックは、トリッキーなオープニングです。
- e4やd4しか知らない相手に動揺を与える。
- 持ち時間の少ない対局で相手が長考する可能性がある。
- センターの支配において黒が優勢になる。
- キングの安全性が損なわれる。
グロブズアタックが使用された試合
グロブズアタックが使用された試合を見ていきましょう。
g4のポーンをh3ポーンで守る試合展開です。
グロブズアタックのバリエーションは、g4ポーンを捨てることが多いですが、h3で守るパターンも結構あります。
序盤戦・中盤戦では、お互いにミスの少ない展開が続いています。
19手目にキングサイドキャスリングではなく、h1にルークを残す選択をするあたり参考にしたいですね。
状況が変わるのは黒の22手目である「クイーンg7」です。
この手によって、「c6のナイト」がe4のビショップから取られてしまう展開になります。
グロブズアタックのバリエーション
グロブズアタックのバリエーションをいくつかご紹介します。
グロブズアタック: Grob Gambit Declined, Spike Attack
このオープニングでは、黒のキング側のマイナーピースが展開されていないことを利用し、ポーンをg5に突いています。
これによって、黒はキングサイドの駒の展開、特にナイトの展開がしづらくなります。
白番はキングの守りが弱い代わりに、攻撃的に駒を配置できます。



このオープニングはgポーンの形が悪いため、キング側のキャスリングは結構厳しいですね。
このオープニングが使用された試合
この試合では、センターの支配で黒番が優勢になっています。
しかし、白番の堅実な指し手によって、白番が勝利を掴んでいます。
グロブズアタックはあまり強くない(と思われる)オープニングですが、このようにチェスのプロリーグでも使用されることがあるようです。
グロブズアタック: Grob Gambit, Fritz Gambit
このオープニングは、白が積極的に攻撃をしかけることができます。
しかし、gポーンを捨てているため、終盤になるにつれて辛い試合になる傾向があります。
多少のリスクを背負ってでも、積極的に攻撃をしかけていかなければ白が負けてしまうでしょう。
このオープニングが使用された試合
チェスの名手「ナカムラヒカル」もグロブズアタック: Grob Gambit, Fritz Gambitを使用することがあります。
序盤はセンターの支配を黒番に取られてしまいますが、ヒカルナカムラがやや劣勢の状況になります。
しかし、ミドルゲーム・エンドゲームで力強さを見せたヒカルナカムラが勝利していますね。
グロブズアタック: Grob Gambit, Fritz Gambit, Romford Countergambit
これは黒番による面白いオープニング変化です。
b7のポーンをg2のビショップから取られてしまい、ルークまでビショップに取られることになります。
しかし、カウンタープレイが用意されているので、不利な試合にはならないのです。
黒はセンターの試合や駒の配置で有利を取っているため、積極的に攻撃をしかけることが可能です。
このオープニングが使用された試合
序盤では、黒番が駒損する展開ですが、最終的では黒番が見事に勝利しています。
白番はビショップをg2に展開した後、マイナーピースやセンターポーンを全く展開できていません。
9手目になってようやくa3にナイトを展開していますね。
白番は序盤こそ駒得しましたが、駒の配置が強くないため、黒の攻撃に対して反撃がしづらい状況になっています。
グロブズアタック(Grob’s Attack)のECOコードは「A00」です。
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