チェスの持ち時間・時間制限ルールについて|「Standard」「Rapid」「Blitz」「Bullet」

チェスの持ち時間(時間制限ルール)は、プレイヤーが一定時間内に手を指すことを要求するルールです。
試合が無限に長引くことを防ぎ、競技性を保つことが目的です。
そして、以下のような一般的な形式があります。
- スタンダード(Standard)
- ラピッド (Rapid)
- ブリッツ (Blitz)
- ブレット (Bullet)
どの形式でも、持ち時間を超過したプレイヤーは時間切れで負けとなります。
本記事では、これら4つの時間制限ルールについて解説していきます。
チェスの持ち時間・時間制限ルールについて
チェスの持ち時間・時間制限ルールについて以下の表にまとめます。
ルール名 | 説明 |
---|---|
スタンダード (Standard) | 持ち時間:90分から120分。 一定の手数(通常40手)を指した後、追加時間が付与。 インクリメント(各手で追加時間が与えられる)が適用されることがある。 |
ラピッド (Rapid) | 持ち時間:10分から60分。 インクリメントが適用されることが一般的。 |
ブリッツ (Blitz) | 持ち時間:3分から10分。 通常、インクリメントが適用される |
ブレット (Bullet) | 持ち時間:1分から3分。 インクリメントが適用されることがある。 |
*各種大会・イベント・Webサイトによって、持ち時間に多少違いがあるため、この説明は絶対ではありません。自分がプレイヤーになるときは、必ず公式のルール説明をご確認ください。
これらは一般的な例であり、実際の持ち時間はイベントや対局ルールによって異なる可能性があります。
また、スタンダードと同じ意味で、「クラシカル(Classical)」という言葉が使用される場合もあります。
ざっくりと、
- スタンダードとクラシカルは持ち時間が長い。
- ラピッドは持ち時間が長くも短くもない。
- ブリッツは持ち時間が短い。
- ブレットは持ち時間が非常に短い。
といった理解でいいかと思います。
Chess.comやLichessの持ち時間
オンラインでチェスをプレイする場合、Chess.comとLichessを利用される人が多いでしょう。
そこで、以下にChess.comとLichessの持ち時間についてまとめます。
Chess.comの持ち時間
Chess.comの場合は、初期設定だと
- ラピッド
- 持ち時間:10分
というルールになります。
ラピッド以外には、ブレット・ブリッツ・ラピッド・デイリーといったルールが用意されています。
そして、インクリメント(持ち時間が1手ごとに追加される)が採用されたルールと採用されていないルールがあるはずです。
例えば、「3|2」という表記であれば、最初の持ち時間が3分で1手指すごとに持ち時間が2秒追加されるルールです。
Lichessの持ち時間
Lichessの場合は、持ち時間を選択すると自動で試合がマッチングする仕組みです。
Lichessでもインクリメントが採用されたルールと採用されていないルールがあります。
例えば、「5+3」という表記であれば、最初の持ち時間が5分で1手指すごとに持ち時間が3秒追加されるルールです。
また、「5+0」という表記であれば、最初の持ち時間が5分が全てで、1手指しても持ち時間が追加されることはありません。
備考:FIDEでは有名選手の「3つの形式のレーティング」を見れる
FIDE(国際チェス連盟)では、
- スタンダード
- ラピッド
- ブリッツ
という3つの形式が採用されています。
ブレット(Bullet)は、FIDEの公式ルールに含まれていませんが、Chess.comやLichessでよくプレイされています。
FIDEの公式サイト(https://www.fide.com/)では、スタンダード・ラピッド・ブリッツのレーティングを見ることができます。
執筆時点では、世界チャンピオン「マグヌスカールセン」のレーティングは、
- スタンダード:2852
- ラピッド:2839
- ブリッツ:2852
であることを確認できました。
FIDEが過去の世界チャンピオンを「FIDE公認」にするか「FIDE非公認」にするかを決めるとき、持ち時間があった試合は公認し、持ち時間のなかった試合は非公認としています。1886年以前のチェス世界チャンピオンは、持ち時間のない試合だったため、FIDE非公認のチェス世界チャンピオンとなっています。
コメント
コメント一覧 (2件)
とてもわかりやすかったです!
嬉しいコメントありがとうございます~!