チェックとチェックメイトの違いと練習問題【チェス】

本記事では、チェスにおけるチェックとチェックメイトについて解説します。
あなたはチェックとチェックメイトの違いを正しく理解できているでしょうか。
練習問題を通して確認してみてください。
なお、本記事の内容は、チェスの駒の動かし方を知っているとスムーズに理解できます。
駒の動かし方を理解していない人は、事前に以下の記事を読んでおきましょう。
チェックとチェックメイトの違い
まず、チェックとチェックメイトの違いについて知っていきましょう。
チェックとチェックメイトの簡単な説明は以下のとおりです。
- チェック:キングが攻撃されている状態のこと。
- チェックメイト:キングが攻撃され、守る手段もない状態のこと。
将棋でいうところの「王手」がチェック、「詰み」がチェックメイトになります。
チェック(Check)
チェックとは、キングが攻撃されている状態のことです。
例えば、以下の状態では、b5にいる白のビショップが黒のキングをチェックしています。
このとき、「白のプレイヤーがビショップでチェックした」といえます。
また、「黒のプレイヤーがビショップでチェックされた」ということもできます。

ただし、この状態ではチェックメイトとは言えません。
なぜなら、黒のプレイヤーはチェックを防ぐことができるからです。
このように、黒がd7のマスにビショップを動かすことで、b5のビショップから黒のキングは攻撃されていない状態になります。
つまり、黒には「キングを守る手段が存在する」ということです。
これが重要なポイントで、チェックされたときにキングに生き残る手段が存在する場合はチェックメイトと言わないのです。
チェックメイト(Checkmate)
チェックメイトとは、キングが攻撃され、守る手段もない状態のことです。
以下の局面をご覧ください。
この局面では、黒がクイーンをh4のマスに動かし、白のキングに対して攻撃しています。
白のプレイヤーは、どうにかしてキングを守る必要があります。
チェックされたプレイヤー側は、「チェックから逃げる」または「チェックを防ぐ」といった手を指さなければいけません。
しかし、この局面では白のキングを守る手段が存在しません。
なぜなら、
- キングを動かせるマスが存在しない。(=逃げるマスがない)
- キング以外の駒を動かしてもチェックを防げない。
- 攻撃している駒を取れない。
という状態だからです。
まず、キングには動かせるマスがありません。
これはチェスの駒の動かし方を理解している人は分かるはずです。
また、キング以外の駒を動かしてもチェックを防ぐことができません。
白のキングと黒のクイーンとの間に、別の駒を置くことをできないからです。
この局面で白が動かせる駒は、「ビショップ・ナイト・ポーン」の3種類の駒だけです。
その3種類の駒の動かせる範囲を以下で見てみましょう。
ビショップを動かせる範囲
ナイトを動かせる範囲
ポーンを動かせる範囲
黒のクイーンの攻撃を防ぐためには、f2またはg3のマスに駒を動かす必要がありますが、そのマスに動かせる駒が1つもないのです。
そして、攻撃しているクイーンを取ることができる駒も白にはありません。
つまり、この局面では白のキングを守る手段が存在しません。
キングを動かせるマスがなく、別の駒で攻撃を防ぐこともできない状態になって初めて「チェックメイト」といいます。
チェスは、このチェックメイトされた側のプレイヤーが負け、チェックメイトした側のプレイヤーが勝ちというシンプルなゲームです。
練習問題:これはチェック?それともチェックメイト?
それでは、チェックかチェックメイトかを見分ける練習問題を解いてみましょう。
練習問題①
この局面は、白のプレイヤーがe5のナイトをf7に動かしたところです。
さて、この局面はチェックとチェックメイト、どちらでしょうか?
以下の「答え」という部分を押すと、答えを見ることができます。
練習問題①の答え
この局面は「チェックメイト」です。
つまり、白が勝利した局面になります。
なぜなら、黒のキングを生き残らせる手段がありません。
- キングを動かせるマスが1つもない。
- 別の駒でナイトの攻撃を防ぐことができない。
- 攻撃中のf7のナイトを取ることができない。
この3つの要素が揃っているため、この局面はチェックメイトなのです。
まず、黒のキングには動かせるマス、逃げれるマスが1つもないです。
e8のマスは、f6の白のナイトによって動けませんね。
また、e8以外のマスは別の駒が置かれているため、黒のキングには動かせるマスがないのです。
次に、白がナイトでチェックしていることも重要です。
ナイトによるチェックの場合、黒は駒をどこに動かしてもキングに対する攻撃を防ぐことができません。
そして、黒のキングを攻撃しているf7のナイトを取ることもできません。
練習問題②
この局面は、白のプレイヤーがh4のルークをh5に動かしたところです。
さて、この局面はチェックとチェックメイト、どちらでしょうか?
以下の「答え」という部分を押すと、答えを見ることができます。
練習問題②の答え
この局面は「チェック」です。
チェックメイトではありません。
なぜなら、黒のキングは逃げることができるマスが存在します。
黒のキングは、e6・f6・g6のマスに動かすことができます。
このように、チェックされたとしても、逃げるマスがある場合には「チェックメイト」といいません。
練習問題③
この局面は、黒のプレイヤーがd8のクイーンをh4に動かしたところです。
さて、この局面はチェックとチェックメイト、どちらでしょうか?
以下の「答え」という部分を押すと、答えを見ることができます。
練習問題③の答え
この局面は「チェック」です。
チェックメイトではありません。
なぜなら、キング以外の駒を動かすことで、キングに対する攻撃を防ぐことができるからです。
例えば、ナイトをg3に動かすことで、キングに対する攻撃を防ぐことができます。
また、ポーンをg3に動かしても、キングに対する攻撃を防ぐことが可能です。
このように、キングを動かせるマスが存在しなくても、別の駒を動かすことでチェックメイトにならずに済みます。
練習問題④
この局面は、白のプレイヤーがh6のクイーンをh7に動かしたところです。
さて、この局面はチェックとチェックメイト、どちらでしょうか?
以下の「答え」という部分を押すと、答えを見ることができます。
練習問題④の答え
この局面は「チェック」です。
しかし、それはこの瞬間に限った話で、数手後チェックメイトになります。
まず、黒のキングはf8に逃げることができるため、この局面に限ってはチェックメイトではありません。
ただし、数手後チェックメイトになります。
このように、連続でチェックされて、その後チェックメイトになる展開はチェスの試合でよくあります。
まとめ
この記事では、チェスにおけるチェックとチェックメイトについて解説しました。
チェスをプレイする上で、「チェックなのか」「チェックメイトなのか」を判別する能力は役に立ちます。
例えば、「このままでは数手後にチェックメイトされてしまう」と分かっていれば、それを回避するために手を尽くすことができます。
一方で、「この後チェックされることがあっても、チェックメイトにはならない」と分かっていれば、その分だけ積極的に攻めることができるかもしれません。
この記事を通して、チェックとチェックメイトを理解でき、判別できるようなれば幸いです。
また、チェックとチェックメイトを判別するのが難しい人は、駒の動かし方を今以上にきちんと理解する必要があるでしょう。
その場合は、以下の記事を読むことをオススメします。
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