カロカンディフェンスの概要|メリット・デメリット・バリエーション
カロカンディフェンスは、ポーンe4に対してポーンc6と指すチェスのオープニングです。
- c6によってd5をサポートし、中央の支配を強めることができる。
- ポーン構造が崩れにくい。
- 白番に中央の支配を簡単に譲らないため、中盤戦で駒を動かしやすい。
- 堅実なオープニングのため、序盤から有利を取ることは難しい。
- 比較的に有名なオープニングのため、相手に対策されている可能性がある。
カロカンディフェンスが使用された試合
カロカンディフェンスが使用された試合を見ていきましょう。

この試合、e4に対してc6って指してるね!これがカロカンディフェンスってやつか。



そうだね、これはカロカンディフェンスといって黒がポーンを使って中央の支配を強めるオープニングだね。
黒がカロカンディフェンスをしてきたら、この試合のように白はd4と指すことが多いよ。



2手目で白がd4、黒がd5を指すまでは結構よくある形なんだっけ?



そうそう、その後に白番が「e5にポーンを突くのか」「d5のポーンを取るのか」「Nc3と指してe4のポーンを守るのか」によって、バリエーションに変化があるよ。



この試合では、「d5のポーンを取る」っていう白番の選択みたいだね。



後で説明するけど、これは「エクスチェンジバリエーション」ってやつだね。センターポーンの交換が起きたら、中央の取り合いは一旦ひと息ついて、駒の展開をし合うことになるよ。



そうなんだ。ポーン交換→駒の展開っていう流れで試合が進むから、序盤戦で重要な交戦が起きることは少なそう!



それがカロカン・ディフェンスの良いところだね。堅実な試合展開を進められるはずだよ!
カロカンディフェンスのバリエーション
カロカンディフェンスのバリエーションをいくつかご紹介します。
カロカンディフェンス:エクスチェンジバリエーション
エクスチェンジバリエーションは、e4のポーンでd5のポーンを取るカロカンディフェンスの変化です。
この後、黒がcxd5と指して、d4とd5にお互いのポーンが並ぶ展開になることがほとんどです。
このお互いにポーンが並ぶ展開になったら、次の2通りのパターンがあります。
- 白番がc4と指して、d5のポーンにプレッシャーをかける。
- 白番がBd3と指して、黒のキングサイドにプレッシャーをかける。
ちなみに、白がc4と指すと「パノフアタック」という名前に変化します。
パノフアタック(Panov Attack)
このオープニングが使用された試合
カロカンディフェンス:アクセラレイテッド・パノフ・アタック
アクセラレイテッド・パノフ・アタックは、c6に対してc4と指してd5のマスの支配を奪い返す変化です。
この変化は、白番が攻撃的なプレイスタイルを好む場合に使用される傾向にあります。
アクセラレイテッド・パノフ・アタックは、以下のように変化していくことが一般的です。
このオープニングが使用された試合
この試合をLichessで解析すると面白いのですが、黒は8手目でBc5と指すことで白のクイーンを最終的に取ることができたようです。
クイーンを取るまでの一例
カロカンディフェンス:ブレイヤーバリエーション
ブレイヤーバリエーションは、黒がc6と指してd5を準備しているのに対して、白はd3と指すことで対応する変化です。
この変化では、次のような試合展開になることがほとんどです。
黒がd5と指してe4に攻撃しているのに対して、白はNd2と指してe4のポーンを守っています。
白がNc3に指すと、d4に突かれてしまい、中央の支配を相手に取られてしまう形になります。
このオープニングが使用された試合
カロカンディフェンス(Caro-Kann Defense)のECOコードは「B10-B19」です。
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